イントロダクション:本当の静寂は、路地裏にある
こんにちは!Tokyo Insider Guide編集長のKenです。
日本庭園と聞いて、多くの人が新宿御苑や六義園のような有名な庭園を思い浮かべるでしょう。それらは確かに素晴らしい場所です。しかし、紅葉や桜のシーズンには、あまりの人の多さに圧倒され、「静けさ」を味わうのが難しいことも少なくありません。
「美しい。でも、あなたが本当に求めているのは、この喧騒ですか?」
実は、有名庭園のすぐ近くにありながら、ほとんどの観光客が見過ごしている、静かで美しい「穴場」の庭園が存在します。この記事では、あなたを東京の真のオアシスへとご案内します。
Kenが選ぶ、静寂の日本庭園5選
アクセスしやすく、それでいて静かな時間を過ごせる、僕のとっておきの庭園を5つ紹介します。
① 美術館の奥に広がる森【根津美術館】
エリア: 表参道
どんな場所?: ファッションの最先端、表参道の中心にあるとは思えないほど、緑豊かな広大な森の中に池や茶室が点在する都会のオアシスです。
穴場ポイント: この庭園は、根津美術館の入館者しか入ることができません。そのため、庭園だけが目的の観光客がおらず、常に静寂が保たれています。庭園を散策するには美術館の入館料が必要ですが(一般1,300円)、その価値は十分にあります。
アクセス: 東京メトロ「表参道」駅から徒歩約8分
② 大名屋敷の面影を残す【旧古河庭園】
エリア: 駒込
どんな場所?:丘の上の洋館とバラ園が有名ですが、斜面を下った先には本格的な日本庭園が広がっています。
穴場ポイント: 多くの観光客は洋館とバラ園で満足して帰ってしまうため、日本庭園エリアは驚くほど人が少ないです。心字池(しんじいけ)にかかる石橋からの眺めは格別で、ゆっくりと池の鯉を眺めることができます。
アクセス: JR京浜東北線「上中里」駅から徒歩7分、東京メトロ南北線「西ケ原」駅から徒歩7分。入園料は一般150円です。
③ 池に浮かぶ六角堂【目白庭園】
エリア: 目白
どんな場所?: コンパクトな空間に、日本の伝統的な様式が凝縮された美しい庭園です。
穴場ポイント: JR目白駅から少し歩いた住宅街の中にあり、地元の人々の憩いの場となっています。池に浮かぶように建てられた「六角浮き見堂」と、滝のせせらぎが心を落ち着かせてくれます。秋の夜間ライトアップは特に幻想的です。
アクセス: JR山手線「目白」駅から徒歩5分。入園料は無料です。
④ 文豪たちが愛した場所【ホテル椿山荘東京 庭園】
エリア: 早稲田
どんな場所?: 高級ホテル「ホテル椿山荘東京」の敷地内にある、宿泊者でなくても無料で散策できる広大な庭園です。
穴場ポイント: ホテルの庭園なので隅々まで手入れが行き届いており、三重塔や滝、神聖な雰囲気の白玉稲荷神社など見どころも豊富。宿泊者やレストラン利用者以外はあまり訪れないため、都心とは思えない静けさの中で散策できます。
アクセス: 東京メトロ有楽町線「江戸川橋」駅から徒歩10分。
⑤ “石”が主役の名園【清澄庭園】
エリア: 清澄白河
どんな場所?: 日本全国の名石を集めて作られた、明治時代を代表する「回遊式林泉庭園」です。
穴場ポイント: 都心から少し離れたエリアにあるため、新宿御苑などに比べて落ち着いた雰囲気です。この庭園の最大の特徴は、池の端から端まで、石の上だけを歩いて渡れる「磯渡り」。まるで水の上を歩いているかのような、他にはないユニークな体験ができます。
アクセス: 都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅から徒歩3分。入園料は一般150円です。

日本庭園を10倍楽しむための3つの視点
ただ歩くだけでなく、庭園の美しさを深く味わうための「見方」を伝授します。
① 音に耳を澄ます: 鹿威し(ししおどし)の竹が石を打つ音、鯉が水をはねる音、風が木々を揺らす音…。視覚だけでなく、聴覚で感じることで、庭園はより豊かな表情を見せてくれます。
② 細部に目を向ける: 石灯籠の苔むした質感、手水鉢に映り込む空、飛び石の絶妙な配置など、細部にこそ庭師の美意識が宿っています。
③ 借景(しゃっけい)を探す: 庭園の外にある木々や建物を、庭園の景色の一部として取り込む日本の伝統技法です。「あの森があるから、この庭はもっと広く見えるんだな」などと考えてみるのも面白いですよ。
Kenからの最後のアドバイス
今回紹介した庭園は、どこも有名観光地のすぐ近くにあります。多くの人がメインストリートを進む中、ほんの少し脇道にそれる勇気を持つだけで、全く違う東京の顔が見えてくるはずです。ぜひ、あなただけの静寂のオアシスを見つける探検を楽しんでください。



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